水村喜一郎美術館を後にして 群馬県の朝妻治郎美術館に向かいました。
悲しいことに美術館は閉鎖されていました。
個人美術館は経営が難しく、特に抽象作品を扱う美術館は大変です。
朝妻治郎は画廊春一押しの作家であり 今回の旅でとても楽しみにしていましたが残念で仕方がありません。
昨日水村さんが長野県は日本一美術館が多いのだが 経営が黒字なのは二つだけとおっしゃりました。
有名な浮世絵を扱う美術館と人気の童画を扱う美術館のみ・・・悲しい現実です。
この日は桐生市にある サラリーマン時代の大川栄二さんがコレクションしたことで有名な大川美術館に行きました。
思えば私のコレクションも大川氏に刺激を受けてはじまった節があります。質、量でとうてい及ばないのですが・・・
大川美術館では思いがけず難波田龍起展が開催されており、超ラッキーでありました。
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まずは常設作品からじっくりと鑑賞・・・
超一流の作品がずらりと並んでいます。
とりわけ 松本俊介の作品が充実していることに驚かされます。
画集で観た素晴らしい作品が目の前の壁面にずらりと並ぶ様は圧巻です。
俊介の絵を見るだけでここまできた甲斐があるというものです。
ずしりと思い感動を味わいながら次の展示室へと進むと 難波田龍起の部屋です。
はじめは若き日の作品群
ギリシアの彫刻群にあこがれて制作していたシュール的な作品 はじめてみました。
ここが彼の出発点だったのか・・・少し意外な感じでした。
やがて戦後の復興期 次々と建設されるビルの骨組みから感化されて抽象の道へ入る。
ここから一気に難波田スタイルへと突き進む。
抽象という難解なスタイルを扱いながら しみじみと深い 感情の根源に迫る不思議な作家です。
晩年の大作 「祈り」 「翔」 の前では ただただ手を合わせ 祈るしかありませんでした。
画廊春でも5点ほど版画をコレクションしていますが やはり油彩による大作は迫力が違います。
ああ 1枚欲しい 今は買えなくても願い続けると思いは叶う・・・毎日お祈りしよう・・・
・・・と思う作品ばかりでした。
今回の旅を通して 画家の執念を肌で感じることができました。
水村喜一郎、難波田龍起 一生をかけて追い求める作品に出会えたことに感謝します。
画廊春に 一点でも多くコレクションすることを心に誓い、やがては画廊を大川美術館のような
個人美術館にしよう。そんな願いと希望を持ちました。
明日は脇田和美術館について書きます。